自然共生社会の理念
「自然の仕組みを基礎とする真に豊かな社会をつくる」
持続可能な社会を構築するには、自然が安定し、変化に対するしなやかさを保ち、将来にわたりその恵みを受けることができるよう、共生と循環に基づく自然の理に則った行動を選択することが重要である。
また自然資本を次の世代に受け継ぐべき資産として捉え、その価値を的確に認識し、自然資本を守り持続可能に活用する社会に変革していくこと必要がある。
これらを通じて、自然の仕組みを基礎とする真に豊かな社会を構築する。

目指すべき自然共生社会像(長期目標としての 2050 年ビジョン)
【2050 年ビジョン】
「2050年までに、生物多様性が評価・保全・回復され、賢明に利用・生態系サービスの維持・健全な地球が維持され、全ての人々にとって不可欠な利益がもたらされる自然と共生する社会」を実現する。
①豊かな生物多様性に支えられた健全な生態系が確保された社会
「それぞれの地域の生物多様性や生態系が、地域特性に応じて地域ごとの知恵や技術も活かしつつ、保全・再生され、次の世代に受け継がれる社会」を実現する。
保護地域とOECMの連携した効果的なシステム等により、生物群集全体保全の観点から生息・生育地が量的にも質的にも保全され、自然再生等により生物多様性の回復が進められている。
これらにより、地域の個体群が保全され、遺伝的多様性も確保され、自然災害や気候変動等の変化に対してレジリエントである健全な生態系が確保され、より豊かな生物多様性の基盤となる。さらにこうした生態系は二酸化炭素の吸収源としても適切に保全・管理されている。
②自然を基盤としてその恵みを持続可能に利用する社会
「生物多様性や生態系が有する固有価値が尊重され、損失や劣化を引き起こさない持続可能な方法により生物多様性や生態系が利用される社会。多様で健全な生態系から生み出される自然の恵みや、様々な恵みを引き出す知識や技術などの文化・暮らしが次の世代に受け継がれ、地域コミュニティが活性化している社会」を実現する。
化石燃料等の再生不可能な地下資源依存から移行し、地域の自然資本を持続可能な形で利用することで、生物多様性の危機が緩和され、持続可能でない資源への依存比率が低下し、地球規模で持続可能な社会の構築に寄与している。
生態系が多様な機能を発揮することにより、気候変動緩和のための吸収源の確保や災害リスクに対する強靱性強化に加え、観光や農林水産業など通じた地域の活性化、健康や福利など、我が国が直面する社会課題が解決している。
③生物多様性の主流化による変革がなされた社会
「生物多様性や生態系が我々の暮らしを支え、自然資本が社会経済の基盤であることが認識され、公共部門、民間部門、一人一人の行動において、生物多様性と生態系に対する配慮が実行されている社会」を実現する。
生物多様性と生態系への負荷が少ない持続可能なサプライチェーンが構築され、生態系の回復に向けた取組が社会的・経済的にも高く評価され、生物多様性の回復と事業活動の両立が確保されている。
地域における生物多様性の在り方が合意され、保全と持続可能な利用を実現するエリアベースの取組に地域の多様な主体が関わり、国土全体と地球規模の生物多様性を考慮した重層的なガバナンスが進められ、多様なセクターや関係する個人が適切な役割分担に基づき取組を行っている。
生物多様性国家戦略 2023-2030:生物多様性・生態系サービスの世界の現状と動向
生物多様性国家戦略2023-2030とは
「生物多様性国家戦略2023-2030」の背景①:世界の現状と動向
「生物多様性国家戦略2023-2030」の背景②:日本の現状と動向
「生物多様性国家戦略2023-2030」で取り組むべき課題
「生物多様性国家戦略2023-2030」の目指す姿・2050年ビジョン
「生物多様性国家戦略2023-2030」ミッション「2030 年ネイチャーポジティブ」
[…] 「生物多様性国家戦略2023-2030」の目指す姿・2050年ビジョン 「生物多様性国家戦略2023-2030」2030 年ミッション「2030 年ネイチャーポジティブ」 […]