ネイチャーポジティブ大全_ヘッダー画像

ネイチャーポジティブ実現に向けて、個人・団体レベルでの生物多様性に配慮した日常生活や取組は極めて重要である。このため新技術等も活用し、かつての生活・消費活動と生物多様性の密接な関わりを
取り戻し、より深化させるための施策を実施する。

生物多様性保全への取組促進

①生物多様性配慮行動の実践・協働
国民及び民間団体は、植林や自然の管理、外来種駆除、フードバンク・フードドライブ等の生物多様性保全や自然資源の持続可能な利用に貢献する取組や、30by30目標達成に向けた「自然共生サイト」としての認定やその維持管理について行い、地域の各主体と連携してこれら取組に協力するよう努める。
国は、これら取組を促すよう、支援事業を行い、その他の経済的措置等による支援措置の検討や、ナッジ等を活用した行動促進を進める。

②国民や民間団体が行う保全等への取組支援
国は、国民や民間団体が行う生物多様性保全上重要な土地取得や、その維持・保全の活動その他の生物の多様性の保全・持続可能な利用に関する取組を促進すべく、地域自然資産区域における自然環境の保全・持続可能な利用の取組の推進や、経済的手法やナッジ等の手法導入を進める。

伝統知や自然観の継承、自然とのふれあい、人と動物の適切な関係に係る理解の醸成

①地域コミュニティ内での取組
自然環境の維持・管理の主体として地域コミュニティが重要であり、衰退した地域コミュニティ再興には自然との関わり合いが重要なことを踏まえ、国は、地方公共団体とも連携しつつ、地域コミュニティの再興や再構築に関する施策を推進し、共助として地域の生物多様性保全活動への積極的な参画や寄
付等の取組を推進する。

②文化的・精神的な豊かさを求める価値観の醸成
良い暮らしについての多様な観念の受容観点から、自然が人の心身の健康にもたらす効果を把握し、自然の中で学び、遊ぶこと、働くことや暮らすことで享受できる文化的・精神的な豊かさを求める社会の価値観の醸成を促す。

③都市部の居住者の自然とのふれあい
身近な自然環境と触れ合うことは、生物多様性の重要性などを理解する上で重要であり、都市部居住者が、生物多様性が豊かな緑地空間や親水空間へのアクセスや日常的な自然体験機会を増加できるよう、都市部や都市近郊の緑化推進や緑地の適切保全など進める。
都市部居住者が、農業体験や林業体験への参加を通じて、健康増進や郷土愛の醸成等が図られるよう、市街地や生産緑地、里山林等の適切な保全・活用を進める。地方と都市部の施策を両輪で進めることで、分散型・自然共生社会の形成につなげる。

基本戦略4における目標の設定

社会全体で生物多様性の保全と持続可能な利用を進めるには、生物多様性の重要性に対する知識や無関心が必須であり、国民の価値観の形成と行動変容の促進に関する状態目標を設定する。
それら状態達成に向け、生物多様性を重視する価値観を持った人づくりや、生物多様性に正の貢献をする行動を後押しするための行動目標を設定する。

【状態目標】
4-1:教育や普及啓発を通じて、生物多様性や人と自然のつながりを重要視する価値観が形成されている
4-2:消費行動において、生物多様性への配慮が行われている
4-3:自然環境を保全・再生する活動への国民の積極的参加が行われている

【行動目標】
4-1:学校等における生物多様性に関する環境教育を推進する
4-2:日常的に自然とふれあう機会を提供し、自然の恩恵や自然と人との関わりなど様々な知識の習得や関心の醸成、人としての豊かな成長を図り、人と動物の適切な関係の考え方を普及させる
4-3:国民に積極的かつ自主的な行動変容を促す
4-4:食品ロス半減及びその他の物質の廃棄を減少させ、生物多様性に配慮した消費行動を促すため、生物多様性に配慮した選択肢を周知啓発し、選択機会を増加させ、インセンティブ提示する
4-5:伝統文化や地域知・伝統知も活用し、地域の自然環境を保全・再生する活動を促進する

生物多様性国家戦略 2023-2030:生物多様性・生態系サービスの世界の現状と動向

「生物多様性国家戦略2023-2030」で取り組むべき課題
「生物多様性国家戦略2023-2030」の目指す姿・2050年ビジョン
「生物多様性国家戦略2023-2030」ミッション「2030 年ネイチャーポジティブ」
基本戦略1生態系の健全性の回復
基本戦略2自然を活用した社会課題の解決
基本戦略3ネイチャーポジティブ経済の実現
基本戦略4生活・消費活動における生物多様性の価値の認識と行動
「生物多様性国家戦略2023-2030」戦略実施に向けた基本的考え方

投稿者 smasa0810

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